前回【がんと向き合う1】では
がんについての基礎知識をお伝えしました。
今回は
腫瘍と診断された場合の治療方針
さらに具体的な治療における、それぞれの問題点に触れたいと思います。
治療方針として大まかに分けると次のようになります。
◆根治治療
完全な腫瘍の根絶を目的とします。
◆緩和治療
QOL(Qolity Of Life)の維持と向上を目的とし、腫瘍の増殖を出来る限る抑えます。
◆対処療法
治療による効果が期待できない、あるいは治療することにより、さらに悪化する可能性がある場合に行われます。
QOLの向上のみが目的とされます。
一般的に緩和治療と併用して行われる事が多いです。
◆ホスピス
QOL(Qolity Of Life)の維持を目標とし、特に末期がんの痛み・苦しみを緩和する事を目的として治療が行われます。
残念ながらステージが進行していれば
根治は望めない場合もあるでしょう。
その場合、どのような治療方針をとるかはオーナー様の考え次第になります。
とにかく重要なのは、オーナー様の考えをしっかりと伝え
獣医さんとよく相談して決定して下さい。
必要な場合にはセカンドオピニオンもご検討下さい。
では具体的な治療方法はどんなものがあるのでしょうか。
◆外科療法
腫瘍の摘出・切除を目的とします。
腫瘍が限局している場合には効果的ですが、他の組織へ転移がある場合には、
根治を目的として行われません。
早期に行われる事が効果的であり、一般的に腫瘍だけでなく、
浸潤されている細胞も取り除くので、切除範囲が広範囲にわたります。
◆放射線療法
切開を伴わず、局所的な治療を行う事が出来ます。
腫瘍の種類により、放射性に対する感受性が異なり、
リンパ組織、骨髄、生殖腺、皮膚、小腸などは感受性が高く、
一方、脳、神経組織、骨などは低いです。
照射は、1回だけではなく数回行う必要があり、麻酔や鎮静が必要となります。
また設備のある動物病院は限定されています。
◆化学療法
いわゆる抗がん剤のことであり、臓器が充分機能しており、他に合併症がない場合に行われます。
また腫瘍の悪性度が高い場合や、浸潤・転移がある場合にも用いられます。
ただし抗がん剤は、増殖が活発な腫瘍細胞を攻撃する一方、
頻繁に分裂する正常組織(消化管の上皮組織、骨髄の造血組織、毛根細胞等)へも大きな影響を及ぼします。
したがって、副作用は避けられません。
◆免疫療法
新しい治療法であり、自らの免疫を高めることによって、悪性腫瘍の増殖・発生を抑える治療法です。
採取した患者の血液からリンパ球を分離し、活性化させたリンパ球を培養・増殖させ、その活性化したリンパ球を患者に戻すことにより、悪性腫瘍を攻撃させます。
自己のリンパ球を戻す為、拒絶反応も副作用も少ない治療法として期待されていますが、
経費と人手がかかる事が問題となっています。
◆支持療法
治療を成功させるために、補完的に支えるものとして食事療法、点滴・鎮痛剤の投与、輸血などが行われます。
◆代替療法
ホメオパシーやホモトキシコロジー、ホルミシス、漢方、ハーブ、温熱療法、などがあります。
ホルミシスとは、ある物質が、高濃度あるいは大量に用いられた場合には有害になりますが、
低濃度あるいは微量に用いられれた場合には、有益な作用をもたらす現象を示す言葉です。
高濃度、あるいは大量の放射線は体に害がありますが
自然放射線の10倍~100倍程度の低線量放射線には、
活性酸素を抑制する効果があるという説に基づいています。
ただし、放射線ホルミシスの効果については、実際にあるのかもしれませんが、
現時点では未確認の仮説のようです。
さて
具体的な治療は獣医さんにお任せするとしても
何か家庭でできる事はないの?
そんなオーナー様は多いでしょう。
家庭でできる事として以下の方法が挙げられます。
①食事
②ハーブ
③つぼマッサージ、リンパマッサージ
④びわの葉温灸
⑤ホメオパシー
⑥フラワーエッセンス
などが挙げられます。
次回3回目は
【家庭でできる事(食事編Ⅰ)】
についてお伝えします。
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