前回【がんと向き合う1】では
がんについての基礎知識をお伝えしました。

今回は
腫瘍と診断された場合の治療方針
さらに具体的な治療における、それぞれの問題点に触れたいと思います。


治療方針として大まかに分けると次のようになります。
根治治療
完全な腫瘍の根絶を目的とします。

緩和治療
QOL(Qolity Of Life)の維持と向上を目的とし、腫瘍の増殖を出来る限る抑えます。

対処療法
治療による効果が期待できない、あるいは治療することにより、さらに悪化する可能性がある場合に行われます。
QOLの向上のみが目的とされます。
一般的に緩和治療と併用して行われる事が多いです。

ホスピス
QOL(Qolity Of Life)の維持を目標とし、特に末期がんの痛み・苦しみを緩和する事を目的として治療が行われます。


残念ながらステージが進行していれば
根治は望めない場合もあるでしょう。
その場合、どのような治療方針をとるかはオーナー様の考え次第になります。

とにかく重要なのは、オーナー様の考えをしっかりと伝え
獣医さんとよく相談して決定して下さい。

必要な場合にはセカンドオピニオンもご検討下さい。


では具体的な治療方法はどんなものがあるのでしょうか。
外科療法
腫瘍の摘出・切除を目的とします。
腫瘍が限局している場合には効果的ですが、他の組織へ転移がある場合には、
根治を目的として行われません。
早期に行われる事が効果的であり、一般的に腫瘍だけでなく、
浸潤されている細胞も取り除くので、切除範囲が広範囲にわたります。

放射線療法
切開を伴わず、局所的な治療を行う事が出来ます。
腫瘍の種類により、放射性に対する感受性が異なり、
リンパ組織、骨髄、生殖腺、皮膚、小腸などは感受性が高く、
一方、脳、神経組織、骨などは低いです。
照射は、1回だけではなく数回行う必要があり、麻酔や鎮静が必要となります。
また設備のある動物病院は限定されています。

化学療法
いわゆる抗がん剤のことであり、臓器が充分機能しており、他に合併症がない場合に行われます。
また腫瘍の悪性度が高い場合や、浸潤・転移がある場合にも用いられます。
ただし抗がん剤は、増殖が活発な腫瘍細胞を攻撃する一方、
頻繁に分裂する正常組織(消化管の上皮組織、骨髄の造血組織、毛根細胞等)へも大きな影響を及ぼします。
したがって、副作用は避けられません。

免疫療法
新しい治療法であり、自らの免疫を高めることによって、悪性腫瘍の増殖・発生を抑える治療法です。
採取した患者の血液からリンパ球を分離し、活性化させたリンパ球を培養・増殖させ、その活性化したリンパ球を患者に戻すことにより、悪性腫瘍を攻撃させます。
自己のリンパ球を戻す為、拒絶反応も副作用も少ない治療法として期待されていますが、
経費と人手がかかる事が問題となっています。

支持療法
治療を成功させるために、補完的に支えるものとして食事療法、点滴・鎮痛剤の投与、輸血などが行われます。

代替療法
ホメオパシーやホモトキシコロジー、ホルミシス、漢方、ハーブ、温熱療法、などがあります。

ホルミシスとは、ある物質が、高濃度あるいは大量に用いられた場合には有害になりますが、
低濃度あるいは微量に用いられれた場合には、有益な作用をもたらす現象を示す言葉です。
高濃度、あるいは大量の放射線は体に害がありますが
自然放射線の10倍~100倍程度の低線量放射線には、
活性酸素を抑制する効果があるという説に基づいています。
ただし、放射線ホルミシスの効果については、実際にあるのかもしれませんが、
現時点では未確認の仮説のようです。

さて
具体的な治療は獣医さんにお任せするとしても
何か家庭でできる事はないの?

そんなオーナー様は多いでしょう。

家庭でできる事として以下の方法が挙げられます。

①食事
②ハーブ
③つぼマッサージ、リンパマッサージ
④びわの葉温灸
⑤ホメオパシー
⑥フラワーエッセンス
などが挙げられます。

次回3回目は 
【家庭でできる事(食事編Ⅰ)】 
についてお伝えします。